誰かのための物語
2
合宿は、終わってみるとあっという間だった。
あの三日目の試合が終わったあと、僕は監督にこう言われた。
『一皮むけたな、日比野』
監督が言うには、今の僕は野生児っぽくていいらしい。
相手にとって十分『こわい』プレイヤーだと。
そんな奴の存在は、チームにとってはでかい、と。
『お前らもっと、野生児にならなあかんぞ。
ゴールを奪うための嗅覚を研ぎ澄ますんや。
今日、そんなゴールがあったな。
そういう野生児的なプレーが、俺らを全国に連
れてってくれるかもわからんぞ』
その日のミーティングで、監督は僕の名前こそ出さなかったがそう言っていた。
僕は次の日から後半だけだけど試合に出るようになり、最終日にはスタートからも出た。
あの三日目の試合が終わったあと、僕は監督にこう言われた。
『一皮むけたな、日比野』
監督が言うには、今の僕は野生児っぽくていいらしい。
相手にとって十分『こわい』プレイヤーだと。
そんな奴の存在は、チームにとってはでかい、と。
『お前らもっと、野生児にならなあかんぞ。
ゴールを奪うための嗅覚を研ぎ澄ますんや。
今日、そんなゴールがあったな。
そういう野生児的なプレーが、俺らを全国に連
れてってくれるかもわからんぞ』
その日のミーティングで、監督は僕の名前こそ出さなかったがそう言っていた。
僕は次の日から後半だけだけど試合に出るようになり、最終日にはスタートからも出た。