誰かのための物語
もし君が無事でいてくれたら、僕はそれを君に伝える。

そして、もう気持ちを隠したりはしない。


僕は祈るような気持ちで待った。


彼女の家も知らない僕は、待つことしかできない。

僕は立ち上がり、公園をぐるぐると歩き回った。


合宿の前、彼女が帰っていった方向を何度も気にしながら。





なにか事情があって、来るのが遅くなっただけだと信じたかった。


< 125 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop