誰かのための物語
その日の夜、僕はまた、あの夢を見た。



僕は図書室にいて、あのノートがある場所にまっすぐ歩いてゆく。


でも、いつもの場所にノートはなかった。


僕は、図書室中を探し回った。


やっぱり、ない。


夢を見ている僕は、まさか、と思った。


速足で教室に戻ると、そこには、僕の想像どおりの光景が広がっていた。


人だかりができていて、その中心にいる大柄な男の子があのノートを持っている。


彼を含め、周りの人間はみな、笑っている。


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