誰かのための物語
「今日はね、お別れを言いにきたの」


 男の子は、あまり驚きませんでした。

これが、最後の夢になるような気がなんとなくしていたからです。


「そうだろうと思っていたよ」


「それなら話は早いわね。

でも、これからする話はちょっとふくざつよ?」


「ぼくはきみと夢の中で海を泳いだり空を飛んだりしたんだ。

もう、なんだって受け入れられるよ」


女の子は、笑顔になり、じゃあ、と言って話しはじめました。


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