誰かのための物語
小さい頃の、夢を見た。



私は重い病をかかえて生まれてきた。

赤ん坊の頃にした手術で一命は取り留めたものの、呼吸器系にさまざまな後遺症が残ってしまった。


それにより私は激しい運動はできなくなり、ちょっと早歩きをしただけでも息が切れたり、咳が止まらなかったりした。


肺に穴が空いてしまう『気胸』を発症することが時々あり、呼吸器系の感染症にも人一倍かかりやすいので、いつでも入院できるように私たちは大きな病院のある町に住んでいた。



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