誰かのための物語
それに、明るく笑顔で話しかけてくるクラスメイトの会話には、スピードがあった。


対して私の声は小さくて、しゃべるのも遅かった。


そうするとどうしても、会話のテンポが悪くなる。


私の返答を待つ間、彼女たちの顔がだんだんとひきつっていくのがわかった。


そうなると私は、さらに焦って口をどもらせる。


私がいると、彼女たちは会話のペースを崩すことになる。


彼女たちが私に話しかけたくなくなるのも、無理はないと思う。



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