誰かのための物語
でも、そんなことばかりして人と関わることから逃げていたのが悪かったのだろうか。

私の存在はどんどんクラスから浮いていった。


相手のことが気に食わないのなら、気にしないようにするのが一番だと私は思うのだけど、


それは少数派の意見のようだ。多くの人は、特に残酷な子どもは、気に食わない者を意図的に排除しようとしたり、攻撃を仕掛けたりしてしまう。

その病的な行動が私には理解しかねた。


次第に私は、いじめの標的になった。


とは言っても暴力的なものではなく、ものを隠されたりする程度だったけれど。



それも特に探そうとしなくても、次の日にはふとしたところで簡単に見つかる。


だから大して私は気にしてはいなかった。
ただ、私にはあの物語があるからいい、
と思っていた。


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