誰かのための物語
そう思ったら、どうしてもあの物語をかおるくんに聞かせたくなった。



私はお姉ちゃんに頼んで、預けたノートを病院に持ってきてもらい、病室でかおるくんに物語を読み聞かせた。



かおるくんは立樹くんの描いた絵を

「すごくきれい!」

と言って気に入ってくれたことが嬉しくて、


私は彼に「これ、かおるくんが持ってて」と言って渡した。


かおるくんは「いいの?」と跳び上がって喜んでくれた。


お姉ちゃんの話によると、


そのあとかおるくんは立樹くんのように絵を描くのにはまったようだ。



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