誰かのための物語
私はというと、

病室で絵本を読んだり物語を書いてばかりいたせいか、視力が落ちてゆき、眼鏡をかけるようになった。



眼鏡をかけてから初めて鏡を見たとき、

私は自分の目を疑った。







「え……」



トイレの鏡に映る自分の顔には見覚えがあった。






彼女だ。



私が夢の中で会っていた女の子に、そっくりだった。




というより、彼女そのものだった。




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