誰かのための物語
改めて自分の身体をよく見ると、さらに似ていると思った。


そういえば夢の中の彼女は、

いわゆる『女性的な身体つき』をしていなかった。


そして私も、高校二年生になっている年齢だったけれど、身長以外は成長する気配がない。



だんだんと、私はある考えに確信を持っていった。




ーー私が夢の中で会っていた女の子は、未来の私だったんだ。



未来の私が、男子高校生となっていた私にあの物語を教えてくれた。


今の私なら、その物語を知っているからそれは可能だ。




そうすると、そもそも物語を最初に作ったのは誰かという疑問は残るけれど……。



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