誰かのための物語
だからこそ私にはわかる。



彼は、ギプスが取れた帰りに公園によって、かおるくんと絵を描く。


そこで私に、話しかけられる。


でも、夢で見たからと言ってその日が何月何日かなんてわからない。


私は、夢で見たようないい天気の日には必ず公園をのぞいた。



そして、ついにその日はやってきた。


誘い方がちょっと強引だったかなと私自身
思っていたけれど、


彼は、私の物語に絵を描いてくれると言ってくれた。


僕なんかの絵でよければ、なんて控えめな言葉を付け足して。



ーー立樹くんじゃなきゃだめなんだよ!




本当は、そう言ってやりたかった。




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