誰かのための物語
それからの日々は、本当に楽しかった。



夢で一度見ているけど、それは立樹くんの視点でのことだから、私として過ごすの
は初めてのことだ。



別に、夢の中で見た私のとおりに行動しようとは考えていなかった。


むしろ、だんだんと夢のことを忘れていっていたから、


ただ、私が思ったように行動していた。


そうすると、自然と夢と同じようになっていくわけだけど。




彼は、高校生になっても、記憶を失っていても、彼のままだった。


特にあの優しい雰囲気は、まったく変わっていなかった。



一生懸命なところや、素直なところも。



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