誰かのための物語

僕が見出した、自分の可能性。

それは、ディフェンスに集中すること。


粘り強く守るなかでも、ガムシャラにならずに相手の動きをよく見る。

そして状況を把握し、チャンスを見つけたら思い切って判断し、相手のボールを奪いにいく。


 あのプレーのあと、監督にAチームに入るように言われたことで、僕がこのチームでやるべきことがはっきりとわかった。



では、男の子が見出した自分の可能性はなんだったのか。


男の子は、夢の中で白鳥の話を聞いてから、自分ができることを考えた。



僕と同じように、選手として。


教頭が言っていた『応援役』に回ってしまっては、それは〝逃げ〞になると考えたのだろうと思う。
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