恋人は魔王様
「まるで結婚式みたいですね」
と、ジュノが余計な一言を挟む。
「だろう?
俺は今すぐにでも結婚していいんだけどね。結婚しよう、ユリア☆」
調子に乗ったとしか思えないキョウはファーストフードを注文する気軽さで、私にプロポーズしてきた。
「ちょっと待って」
私はびしっと、右手の人差し指をキョウの鼻先に突き出した。
「危ないなぁ」
キョウは冗談めかして顔を顰める。
「ここでの結婚って、一体何をさしているの?」
まさか、市役所に婚姻届を持っていくなんてわけないだろうし。
神に永遠を誓う……なんてこともなさそうだ。
だって、神様が住まわれる天界に【入れてもらえない】人が、いや、死人が集う場所なんですものね。
くしゃくしゃ、と、まるで子供を褒めるようにオーバーにキョウが私の髪を撫で回す。
「ユリア、成長したねー♪」
お父さんは嬉しいよ、と言い出しそうな保護者ぶった口ぶりに、私は不服げに唇を尖らせた。
「何の話?」
「この前は結婚の話を持ち出しても照れているだけだったのに。
いやいや、そんなにしっかり二人の将来を考えてくれるようになってなによりだ」
いやいやって言いたいのはこっちのほうで。
待って待って。
私、二人の将来なんて、今、微塵も考えていませんでしたけど?
と、ジュノが余計な一言を挟む。
「だろう?
俺は今すぐにでも結婚していいんだけどね。結婚しよう、ユリア☆」
調子に乗ったとしか思えないキョウはファーストフードを注文する気軽さで、私にプロポーズしてきた。
「ちょっと待って」
私はびしっと、右手の人差し指をキョウの鼻先に突き出した。
「危ないなぁ」
キョウは冗談めかして顔を顰める。
「ここでの結婚って、一体何をさしているの?」
まさか、市役所に婚姻届を持っていくなんてわけないだろうし。
神に永遠を誓う……なんてこともなさそうだ。
だって、神様が住まわれる天界に【入れてもらえない】人が、いや、死人が集う場所なんですものね。
くしゃくしゃ、と、まるで子供を褒めるようにオーバーにキョウが私の髪を撫で回す。
「ユリア、成長したねー♪」
お父さんは嬉しいよ、と言い出しそうな保護者ぶった口ぶりに、私は不服げに唇を尖らせた。
「何の話?」
「この前は結婚の話を持ち出しても照れているだけだったのに。
いやいや、そんなにしっかり二人の将来を考えてくれるようになってなによりだ」
いやいやって言いたいのはこっちのほうで。
待って待って。
私、二人の将来なんて、今、微塵も考えていませんでしたけど?