恋人は魔王様
リリー……
マドンナ・リリー。
翌日、気になった私は眠たい身体を引きずりながら学校に出かけ、昼休みになるとすぐに図書室へと急いだ。
図鑑を手にとって見る。
そこには写真が載っていた。
当然ユリ科の一種で、白く、可憐な花だ。
私は気が遠くなるほど昔、この花だった。
……のだろうか。
ギャグにしては、笑えない。
事実にしては、受け入れられない。
「あー、もう、ワケわかんない」
私はポニーテールの毛先を指で弄びながらぼやいていた。
「あら、珍しい。
早乙女がこんなところに居るなんて」
声を掛けてきたのは30代半ばの司書の先生。
女性なのに化粧気が一つもない。
いつも、数着のスーツを毎日のように着まわしているあたりも、どうかと思う。
入学して間もない頃、笑麗奈と一緒にそれを指摘したら
『私は派遣司書なの。
沢山スーツを買い換えるお金なんてあるわけないでしょう?』
と、真顔で返されたのを覚えている。
顔どころか、言葉まで飾りっけがないので、逆にイけてるとすら思ったワケ。
ま、私たちはまだまだデリカシーのなさを地でいく女子高生なので多少の失礼発言は多めにみてもらいたいところ☆
マドンナ・リリー。
翌日、気になった私は眠たい身体を引きずりながら学校に出かけ、昼休みになるとすぐに図書室へと急いだ。
図鑑を手にとって見る。
そこには写真が載っていた。
当然ユリ科の一種で、白く、可憐な花だ。
私は気が遠くなるほど昔、この花だった。
……のだろうか。
ギャグにしては、笑えない。
事実にしては、受け入れられない。
「あー、もう、ワケわかんない」
私はポニーテールの毛先を指で弄びながらぼやいていた。
「あら、珍しい。
早乙女がこんなところに居るなんて」
声を掛けてきたのは30代半ばの司書の先生。
女性なのに化粧気が一つもない。
いつも、数着のスーツを毎日のように着まわしているあたりも、どうかと思う。
入学して間もない頃、笑麗奈と一緒にそれを指摘したら
『私は派遣司書なの。
沢山スーツを買い換えるお金なんてあるわけないでしょう?』
と、真顔で返されたのを覚えている。
顔どころか、言葉まで飾りっけがないので、逆にイけてるとすら思ったワケ。
ま、私たちはまだまだデリカシーのなさを地でいく女子高生なので多少の失礼発言は多めにみてもらいたいところ☆