恋人は魔王様
「まぁ、百合亜ちゃん、なんてかっこうしてるの!」
ママがオーバーに言う。
どっちかって言うと、良い年して上から下までピンクで纏めているママには決して言われたくない台詞だ。
「折角お友達が来て下さってるのに」
……はい?
平日の朝っぱらから来てくださる友達なんていたかしら?
私は首を捻ってリビングを見る。
その、ソファには。
人気ホストよろしく、ジュノが座っていた。
「ジュ……」
「船越さんって仰るんでしょう?」
ああ、まだフナコシさんでしたか。
私は口を閉じて曖昧に微笑んだ。
「ママは京極っていう苗字のほうがずっと百合亜ちゃんには合ってると思うのよね」
合うっていうのは、その、どういう意味で?
私が問い返すまもなく、ママは真剣な顔で続ける。
「どうして、別れちゃったの?」
……はい?
私が、朝っぱらからパジャマのままリビングの前で口を空けてしばしぼ~~~~っとたたずんでしまう、という、乙女にあるまじき行動をとっていたのは言うまでもない。
ママがオーバーに言う。
どっちかって言うと、良い年して上から下までピンクで纏めているママには決して言われたくない台詞だ。
「折角お友達が来て下さってるのに」
……はい?
平日の朝っぱらから来てくださる友達なんていたかしら?
私は首を捻ってリビングを見る。
その、ソファには。
人気ホストよろしく、ジュノが座っていた。
「ジュ……」
「船越さんって仰るんでしょう?」
ああ、まだフナコシさんでしたか。
私は口を閉じて曖昧に微笑んだ。
「ママは京極っていう苗字のほうがずっと百合亜ちゃんには合ってると思うのよね」
合うっていうのは、その、どういう意味で?
私が問い返すまもなく、ママは真剣な顔で続ける。
「どうして、別れちゃったの?」
……はい?
私が、朝っぱらからパジャマのままリビングの前で口を空けてしばしぼ~~~~っとたたずんでしまう、という、乙女にあるまじき行動をとっていたのは言うまでもない。