恋人は魔王様
しかし、ジュノは優雅に微笑んでいる。
「ダージリンも、マイセンで頂くと一味違うね。
まろやか感が増してくる」
などと、いっぱしの評論家気取りの言葉を口にして。
「いや、あの、えっと。
ジュ……フナコシさん?
今日はどのようなご用件で?」
「ユリア様のお望みどおり、カバンを届けに来たんだよ。
折角通学に間に合う時間にやってきたのに、今日はサボるの?」
「残念だけど、そうなりそうね」
ジュノはいつもの感じで言葉を運ぶ。
私は仕方なく向かいに座り、ダージリンを味わった。
「良かったー。
昨日の報告、しようと思って。
魔王様はお忙しいみたいで、全然連絡が取れないんですよねー」
執事のクセに(いや、本当の立場が何かは知らないけれど)それでいいの?っていうくらい余裕な態度で、ジュノが言う。
もっとも、魔王様と言う時に言葉遣いが丁寧になるのは癖のようだ。
「連絡、取れなくていいの?」
「いいんです、いいんです。
取れないってことは、今は用がないってことですから。
ねえ?」
ねえ、とか、そこらのアイドル顔負けの、ものすっごく眩しい笑顔で言われても。
知らないってば!!
全然わかんないうちに、勝手に恋人になった挙句、勝手にどっかに行っちゃう様なヤツの事なんて、私が知るはずないじゃない。
「とりあえず、昨日の話がしたいので着替えてきてもらってもいいかな?」
あ、やっぱりそうよね。
さすがにこの、うさぎのパジャマじゃ視線のやり場に困るよね……
「ああら、お部屋に上がってもらえばいいじゃない」
……
もちろん、ママの言葉は我が家では絶対。
ママは、男女問わず美形に対して警戒心がない。そして、甘いのだ。
「ダージリンも、マイセンで頂くと一味違うね。
まろやか感が増してくる」
などと、いっぱしの評論家気取りの言葉を口にして。
「いや、あの、えっと。
ジュ……フナコシさん?
今日はどのようなご用件で?」
「ユリア様のお望みどおり、カバンを届けに来たんだよ。
折角通学に間に合う時間にやってきたのに、今日はサボるの?」
「残念だけど、そうなりそうね」
ジュノはいつもの感じで言葉を運ぶ。
私は仕方なく向かいに座り、ダージリンを味わった。
「良かったー。
昨日の報告、しようと思って。
魔王様はお忙しいみたいで、全然連絡が取れないんですよねー」
執事のクセに(いや、本当の立場が何かは知らないけれど)それでいいの?っていうくらい余裕な態度で、ジュノが言う。
もっとも、魔王様と言う時に言葉遣いが丁寧になるのは癖のようだ。
「連絡、取れなくていいの?」
「いいんです、いいんです。
取れないってことは、今は用がないってことですから。
ねえ?」
ねえ、とか、そこらのアイドル顔負けの、ものすっごく眩しい笑顔で言われても。
知らないってば!!
全然わかんないうちに、勝手に恋人になった挙句、勝手にどっかに行っちゃう様なヤツの事なんて、私が知るはずないじゃない。
「とりあえず、昨日の話がしたいので着替えてきてもらってもいいかな?」
あ、やっぱりそうよね。
さすがにこの、うさぎのパジャマじゃ視線のやり場に困るよね……
「ああら、お部屋に上がってもらえばいいじゃない」
……
もちろん、ママの言葉は我が家では絶対。
ママは、男女問わず美形に対して警戒心がない。そして、甘いのだ。