恋人は魔王様
私はシャワーも浴びたかったので、ジュノをママに押し付けることにした。
クドいけど、ママは美形が好きなので、当然断るはずもない。
ジュノに到ってはお喋りできれば誰でもいい……のだ、多分。
そうは言っても、会話の展開次第では自分の首を絞めかねないこのシチュエーションに、私はさっさと髪を乾かし二人の下へと戻る。
紅茶どころか、お手製のクッキーまで摘みながら二人仲良く雑談中だった。
まぁ、何を話しているかはこの際気にしないことにしよう。
「フナコシさん、お待たせ☆」
ジーンズにTシャツという、笑麗奈あたりがみたら目くじら立てそうなラフな格好で、私はジュノに声を掛ける。
「あら、百合亜ちゃん。
早いわねぇ」
不満顔のママに適当かつ真剣に謝り、ジュノを連れて二階に上がる。
「そうそう。私の部屋では、いかなる過去も見ちゃ駄目よ」
部屋に入る前に釘をさすのも忘れない。
悪魔相手に随分と、手際が良くなったものだと自分で苦笑してしまうくらいだ。
「っていうか、そういう風に言われると余計に見たくなるよ、普通」
ジュノの言葉に肩をすくめる。
……ああ、大失敗。
そんな私を見てジュノはくすりと笑った。
「大丈夫だって。いくらなんでも、魔王様を敵に回すことはいたしません。
ご安心を、ユリア様」
私のイメージの中だけに存在する中世の騎士のごとく丁寧な態度で、ジュノがお辞儀をして見せた。
クドいけど、ママは美形が好きなので、当然断るはずもない。
ジュノに到ってはお喋りできれば誰でもいい……のだ、多分。
そうは言っても、会話の展開次第では自分の首を絞めかねないこのシチュエーションに、私はさっさと髪を乾かし二人の下へと戻る。
紅茶どころか、お手製のクッキーまで摘みながら二人仲良く雑談中だった。
まぁ、何を話しているかはこの際気にしないことにしよう。
「フナコシさん、お待たせ☆」
ジーンズにTシャツという、笑麗奈あたりがみたら目くじら立てそうなラフな格好で、私はジュノに声を掛ける。
「あら、百合亜ちゃん。
早いわねぇ」
不満顔のママに適当かつ真剣に謝り、ジュノを連れて二階に上がる。
「そうそう。私の部屋では、いかなる過去も見ちゃ駄目よ」
部屋に入る前に釘をさすのも忘れない。
悪魔相手に随分と、手際が良くなったものだと自分で苦笑してしまうくらいだ。
「っていうか、そういう風に言われると余計に見たくなるよ、普通」
ジュノの言葉に肩をすくめる。
……ああ、大失敗。
そんな私を見てジュノはくすりと笑った。
「大丈夫だって。いくらなんでも、魔王様を敵に回すことはいたしません。
ご安心を、ユリア様」
私のイメージの中だけに存在する中世の騎士のごとく丁寧な態度で、ジュノがお辞儀をして見せた。