恋人は魔王様
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「で?」
私はなんとなくラストを聞く気が起きなくて、それでも仕方なく先を促す。
ジュノはクリスマスプレゼントを貰ったばかりの子供のような、無邪気で素敵な笑顔を見せた。
「屋上って最高!
腹が立った亮介が闘牛のように颯太のところに突っ込んでいってさ。
二人仲良く屋上から落っこちちゃった。
ね、綺麗なハッピーエンドで良かったでしょう?」
……サイテイ。
「どうして止めなかったのよ?」
腹が立ってくる。
そりゃ、渡辺先輩を殺したのは良くないことだけど。
だからって、桧垣兄弟が死ななきゃいけない……なんてこと。
ある?!
止める事だって出来たはず。
生きて贖罪する事だって……人間だったら、出来るはず。
「鬼、悪魔っ」
悪魔に向かって吐く暴言ではないことも十分承知だが、私にはそれ以上の言葉が浮かばない。
悔しくて涙がにじんでくる。
「ユリア様?」
ジュノは、こんなに楽しいのにどうして泣いているのか分からない、という顔で心配げに私を見つめてくる。
下手したら、嬉しすぎて、感極まって私が涙ぐんでいると信じているかもしれない。
「で?」
私はなんとなくラストを聞く気が起きなくて、それでも仕方なく先を促す。
ジュノはクリスマスプレゼントを貰ったばかりの子供のような、無邪気で素敵な笑顔を見せた。
「屋上って最高!
腹が立った亮介が闘牛のように颯太のところに突っ込んでいってさ。
二人仲良く屋上から落っこちちゃった。
ね、綺麗なハッピーエンドで良かったでしょう?」
……サイテイ。
「どうして止めなかったのよ?」
腹が立ってくる。
そりゃ、渡辺先輩を殺したのは良くないことだけど。
だからって、桧垣兄弟が死ななきゃいけない……なんてこと。
ある?!
止める事だって出来たはず。
生きて贖罪する事だって……人間だったら、出来るはず。
「鬼、悪魔っ」
悪魔に向かって吐く暴言ではないことも十分承知だが、私にはそれ以上の言葉が浮かばない。
悔しくて涙がにじんでくる。
「ユリア様?」
ジュノは、こんなに楽しいのにどうして泣いているのか分からない、という顔で心配げに私を見つめてくる。
下手したら、嬉しすぎて、感極まって私が涙ぐんでいると信じているかもしれない。