恋人は魔王様
「サオトメよ、サ・オ・ト・メ。
ドゥーユーアンダースタ~ン?」
出来れば一度で理解して、二度とは口にしてほしくない。
「早乙女ユリアか、
かわいい名前だな」
『魔王様』が艶やかな紅い唇で甘く微笑む。
ドキっとしちゃうほど、それは素敵な笑顔で。
これが化粧品のポスターとかで、駅やデパートに貼ってあったら、私は思わず立ち止まって見蕩れてしまう、とは思ったけれど。
「二度とフルネームで呼ばないで、恥ずかしいから」
と、とりあえずは自分の心境を言葉に出した。
「ユリアは照れ屋だな」
だーかーら、照れ屋じゃないっつーの。
早乙女百合亜(サオトメユリア)
見るからに乙女チックなこの名前。
これが私のコンプレックスその1。
そりゃ、「早乙女」って苗字が先祖代々大事にされてきた苗字だっていうなら、ご先祖様のことも考えて、私はまぁ、ここまで否定したりはしないと思う。
でもね?
これ、夢見がちな私の母親が、父からプロポーズされた折に
『私、早乙女って苗字の人としか結婚しないの』
っていうわけの分からない理由で断ったから、父は全国を駆け巡り『早乙女』さんを探し出し養子縁組をしたという……
母の我侭と父のエゴしか詰まってない苗字なのよ!!
ありえなくない?
はぁ><
出来ればそういうことは娘である私には黙っていてほしかったわー。
ドゥーユーアンダースタ~ン?」
出来れば一度で理解して、二度とは口にしてほしくない。
「早乙女ユリアか、
かわいい名前だな」
『魔王様』が艶やかな紅い唇で甘く微笑む。
ドキっとしちゃうほど、それは素敵な笑顔で。
これが化粧品のポスターとかで、駅やデパートに貼ってあったら、私は思わず立ち止まって見蕩れてしまう、とは思ったけれど。
「二度とフルネームで呼ばないで、恥ずかしいから」
と、とりあえずは自分の心境を言葉に出した。
「ユリアは照れ屋だな」
だーかーら、照れ屋じゃないっつーの。
早乙女百合亜(サオトメユリア)
見るからに乙女チックなこの名前。
これが私のコンプレックスその1。
そりゃ、「早乙女」って苗字が先祖代々大事にされてきた苗字だっていうなら、ご先祖様のことも考えて、私はまぁ、ここまで否定したりはしないと思う。
でもね?
これ、夢見がちな私の母親が、父からプロポーズされた折に
『私、早乙女って苗字の人としか結婚しないの』
っていうわけの分からない理由で断ったから、父は全国を駆け巡り『早乙女』さんを探し出し養子縁組をしたという……
母の我侭と父のエゴしか詰まってない苗字なのよ!!
ありえなくない?
はぁ><
出来ればそういうことは娘である私には黙っていてほしかったわー。