恋人は魔王様
「百合亜、おはよう」
健康的な太陽の光を浴びながらも、重い脚を引きずり登校していた私の背中からとびっきり明るい声が降ってきた。
「ああ、笑麗奈。
おはよう」
夕べ、まんじりともできず、結果、いつものようにポニーテールを結う余裕さえなかった私は、笑麗奈のテンションの10分の1くらいを搾り出して無理矢理微笑んでみた。
成功したかどうかは、不明。
「どうしたの?
疲れた顔して」
むしろ、失敗。
笑麗奈は心配そうに私を覗き込む。
そして、フランス人形を思わせる綺麗な顔に意味深な笑いを浮かべた。
「何かあったんだー♪
いいこと、でしょ?」
「いや、ちょっと。
話すと長くなるんで、放課後にでも聞いてくれる?」
「付き合う、付き合う!!
百合亜から恋バナが聞ける日が来るなんて。
友達してきて良かったー」
「もう、笑麗奈、オーバーなんだからっ」
「だって、昨日の王子様でしょ?
これはもう、いろいろ聞きたいに決まってるっ」
そうも前向きに言われると、なんとなくキョウが良い人だったように思えてくるから不思議だ。
健康的な太陽の光を浴びながらも、重い脚を引きずり登校していた私の背中からとびっきり明るい声が降ってきた。
「ああ、笑麗奈。
おはよう」
夕べ、まんじりともできず、結果、いつものようにポニーテールを結う余裕さえなかった私は、笑麗奈のテンションの10分の1くらいを搾り出して無理矢理微笑んでみた。
成功したかどうかは、不明。
「どうしたの?
疲れた顔して」
むしろ、失敗。
笑麗奈は心配そうに私を覗き込む。
そして、フランス人形を思わせる綺麗な顔に意味深な笑いを浮かべた。
「何かあったんだー♪
いいこと、でしょ?」
「いや、ちょっと。
話すと長くなるんで、放課後にでも聞いてくれる?」
「付き合う、付き合う!!
百合亜から恋バナが聞ける日が来るなんて。
友達してきて良かったー」
「もう、笑麗奈、オーバーなんだからっ」
「だって、昨日の王子様でしょ?
これはもう、いろいろ聞きたいに決まってるっ」
そうも前向きに言われると、なんとなくキョウが良い人だったように思えてくるから不思議だ。