恋人は魔王様
な、なんと、そいつは、何の前触れもなく突然私にキスをしたのだ。
「きゃぁっ」
という悲鳴やら、甘いため息やらが、私からではなくオーディエンスの口から漏れる。
当事者の私は呆気にとられて悲鳴なんて出てこない。
「何すんのよ?」
と、目を吊り上げた私に氷のように冷たい微笑を浮かべてそいつは言った。
「これがお前の望みだろう?」
……えーっと?
いやいやいや。
もっかい、エクスキューズミーって言ってもいいかしら?(いや、現実にはまだ一度も言ってないけれど)
意味わかんないっ
私、そんなの望んだっけ?
っていうか、こいつ、誰だっけ?
もしや、酷い記憶喪失ってだけで、彼氏だったりするのかなぁ。
……っていうか。
今、キスしたよね?
私、瞳さえ閉じ損ねたんですけど。
しかも、なんとなく全校生徒から見られている気がするんですけど?
っていうか、ファーストキスだったのにっ
仮に記憶喪失だとしても、こんなムードも何もなくキスしてくるような男と、私が付き合うはずはない、と、断言したい気持ちでいっぱいになった。
「きゃぁっ」
という悲鳴やら、甘いため息やらが、私からではなくオーディエンスの口から漏れる。
当事者の私は呆気にとられて悲鳴なんて出てこない。
「何すんのよ?」
と、目を吊り上げた私に氷のように冷たい微笑を浮かべてそいつは言った。
「これがお前の望みだろう?」
……えーっと?
いやいやいや。
もっかい、エクスキューズミーって言ってもいいかしら?(いや、現実にはまだ一度も言ってないけれど)
意味わかんないっ
私、そんなの望んだっけ?
っていうか、こいつ、誰だっけ?
もしや、酷い記憶喪失ってだけで、彼氏だったりするのかなぁ。
……っていうか。
今、キスしたよね?
私、瞳さえ閉じ損ねたんですけど。
しかも、なんとなく全校生徒から見られている気がするんですけど?
っていうか、ファーストキスだったのにっ
仮に記憶喪失だとしても、こんなムードも何もなくキスしてくるような男と、私が付き合うはずはない、と、断言したい気持ちでいっぱいになった。