恋人は魔王様
8.合コンもどき
私は時計に目をやる。
夜の12時を少し過ぎたところ。

こうなると、あちらとこちらで時差はなく、あちらで過ごした分だけこちらでも時間が経過してしまう……と、考えるべきなのだろう。

たぶん、きっと。

適当に着替えると、こっそり下に降りてキッチンで軽くつまみ、シャワーを浴びてベッドにダイブ。

そういえば、明日、合コンだったっけ?
面倒だなー。

面倒も何も……私、恋人出来たんだっけ?!(照)
っていうか、この場合、恋『人』でなく恋『魔』っていうのかなー。

ああ、なんだかその辺ちょっとややこしい。

でも、笑麗奈はフランス人形みたいな顔で、人畜無害な笑顔を作ることが出来る人ではあるが、その実怒らせると怖かったりもするから、すっぽかすのも良くないわー。

ぐだぐだと、ベッドの中で頭を巡らせる。

女子高生は忙しいのだ。



だから、その頃には私は綺麗さっぱり忘れていた。

あの城で初対面というのに私を睨みつけていた、マリアという存在を。



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