恋人は魔王様
翌朝――っていっても、9時過ぎだけど――に、目を覚ました私は、とりあえず朝の身支度を整えながら、いかに笑麗奈に断りの電話を入れるかばかり考えていた。

そして、考えている途中、不意に思い出してしまったの。


……私、セーラー服を魔界に置いてきてしまったっ。


たらりと、背中に嫌な汗が流れる始末。

だいたい、魔界って、ものすごく一方通行な場所じゃない?
どうやったら、そっちに行けるのかしら。

私、そんなのも聞いてなかったなんて最悪。
見たこともない食材を、レシピも貰わずに買ったに等しい感じじゃなくって?

それで、生でも食べれるのか、ゆでたほうがいいのか、悩みに悩んで。
結局うっかり生で食べて、お腹壊しちゃった!!


みたいな。

そんな感じになってしまいそうなんだもの。

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