恋人は魔王様
ああ、もう。
私もケータイ欲しいー!!
「笑麗奈、お待たせっ」

私はとびっきりの笑顔を作って、紅茶を飲んでいる笑麗奈に声をかけた。

笑麗奈は私のファッションを上から下まで舐めるように見て、

「合格☆」

と、OKマークを出してくれた。

とりあえず、ほっと一息つく。

なにせ、笑麗奈は私の服装が気に入らないという理由で、ファッションビルに入り、上から下まで一揃えしてくれるような強引な人物なのだ。

学校ではともかく、プライベートでは気に入らないファッションをしている人と並んで歩くのは嫌なんだって。

そんなわけで、笑麗奈のファッションはいつも洗練されているし、周りにいる友人や彼氏は相当厳選されている。

正直、どうして私を親友として選んでくれたのか全く分からないくらい。


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