恋人は魔王様
そうそう。
今の私の格好、説明しておくわ。

普段ポニーテールにしている髪はコテを巻いて立て巻きロールに。
顔はナチュラルメイク。
白と青の大きなボーダー柄のミニワンピース。
まぁ、ミニっていってもひざ上5センチくらい?
左手には夏を先取りしたようなマリンカラーのシュシュ。
ちなみに、これにリボン付の白ミュールを履く予定。

「ああら、百合亜ちゃん。もっとピンクのフリフリにした方が絶対似合うのに」

なんて言っている、ピントのずれたママのコメントに笑顔だけを返して、私たちは家を出た。

笑麗奈は大人っぽい群青色のロングワンピースだ。
同じ色のリボンが背中のアクセントになっている。

まぁ、そんなわけで私たちはちょっと背伸びした女子高生って感じで、待ち合わせ場所へと向かったの。

もう、あまりにもどたばたしていたから、笑麗奈に昨日のことを説明する暇なんて一秒もなかった。
西条と桧垣は既に待ち合わせ場所で待っていた。

ちなみに、西条は笑麗奈以上の長身。
バスケ部のエースでもある。
もちろん、笑麗奈好みのスーツでばしっと決めていて、彼が高校三年生であることを知らなければ社会人にしか見えない。

「こんにちは。今日はデートの邪魔しちゃってすみません」

私は西条に頭を下げる。

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