黒い怪物くん
烏山の体調はだいぶ悪いようで、学校には来れたけどやはり帰って休むそうだ。
放課後ホームルームが終わるとすぐに小鳥はお見舞いに行くと言って帰って行った。
俺は掃除当番のゴミ捨てまでした。
今日は一人でカラオケでも行って失恋ソングでも歌いまくるかな…。
校舎を出ると、ある教室から開いた窓からカーテンがひるがえっているのが見えた。
あれは…手芸部の部室だ。
小鳥の奴…。窓開けっ放しで帰ったのか?手芸部の顧問うるせぇのに…。
俺は外から窓を閉めてやろうと思い、窓から手芸部の部室の中を覗くと中で小鳥が寝ている。
なにしてんだ?烏山のお見舞いに行くんじゃなかったのか?
「小鳥!オイ!」
窓の外側から呼ぶが…起きない。
全く…
俺はわざわざ校舎に戻って、小鳥を起こしに行ってやった。