黒い怪物くん
告るタイミングなんて全く未知だが…
そのタイミングは俺の心の準備なんて全く無視してやってきた。
いつもの昼休みの事だ。
「あーー!もう!彩美の目の保養イケメン烏山君なんで転校しちゃうのー!」
「イケメンなら俺がいるだろうが」
彩美が嘆いていたので、俺はいつものように冗談混じりで受け答えをしていた。
「タカヤン顔悪くないと思うけど…好みじゃない!それに小鳥の男に興味ないですー」
「え!?私の…!?違っ!鷹哉とはまだ付き合ってません!」
彩美の言葉に小鳥が慌ててそう言った。
……今なんて?
「まだ!?」
「………ふ…え………?」
「……バッ…んなッ!何言ってんだよ!?」
なんとかいつもの返しが…出来た。
「小鳥ちゃーん?まだって事はこれから付き合う意思があるって事なのかなー?」
「彩美ちゃん!からかわないでよぉ…」
「ふふふッ…それじゃ、私は退散の時間ですわよ?後は若いお二人でどうぞ~」
あああ…何て告白するか決めてねぇよ……
いや…ずっと告白する度胸もなかった俺にとってこれはキッカケだ。
ここで言わなけりゃいつ言う!?