黒い怪物くん



お兄ちゃんと家を出て近くの横断歩道に差し掛かると、なんと鷹哉と遭遇してしまった。

今日はまだお兄ちゃんいるから大丈夫!


「鷹哉おはよう。今日も小鳥の事待ってたんだ?」

「そ、そんなわけねぇだろ!今日もってなんだよ!?いつも待ってねぇよ!」

「あ!そっか…いつも意地悪する為に待ち伏せしてたんだ!どこまでも意地悪!」

「あん!?お前に意地悪するために待てるほど俺は暇じゃねぇよ…っつーか、今日髪型完璧じゃね?」

「ふふん!これが女子力!」

「治樹にやってもらってる分際で偉そうに女子力語ってんじゃねぇよ」


むぅ…私の朝はムカつく所から始まらないといけないの!?


今度時間ズラそう…もっとギリギリの時間!


「そうだ…鷹哉」

「なんだよ?」

「小鳥の事あんまりイジメるなよ?」

「今更改まって言う事じゃ…」

「いつも言ってるけど、今日は忠告。聞いといた方が良いと思うけどね」

お兄ちゃんはそう言うと鷹哉にニッコリ微笑んだ。

お、お、お兄様…妹が意地悪されるから鷹哉にハッキリ言ってくれたぁ…

意地悪したらやっつけてくれるって事なのかな!?お兄ちゃん大好きぃ!


「……な、なんだよ!?忠告って」

「じゃあ、彼女待たせてるから」


あ…また鷹哉と二人になっちゃった…

忠告したってお兄ちゃん見てない時に意地悪して来るかもしれないのに、忠告の後いなくなるの早くない!?
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