黒い怪物くん
勘違い
入学式から1ヶ月が過ぎた頃、俺のクラスでは席替えが行われた。
ムカつく事に治樹の後ろの席になってしまった。
休み時間の度に女子達に囲まれる治樹。
ガンッ
集まってきた女子は俺の机にぶつかってくる。
「矢嶋君邪魔!もっと後ろ行ってよ!」
「ハァ!?何で俺がそんな事言われないといけないんだよ!お前がぶつかってきたんだろ!謝れよ!」
「鷹哉、ごめん…俺が移動するから」
ぶつかって来たのはあの女子なのに、何で治樹が謝ってんだよ。
しかも、俺の名前馴れ馴れしく呼びやがって…小鳥とはよろしくしたけど、彼氏のお前とはよろしくした覚えないぞ。
小鳥っていう可愛い彼女いるくせにモテやがって…
俺は治樹の何もかもが気に入らなかった。
「あ、小鳥!またうちのクラス遊びに来たんだ」
「小鳥~おはよう」
「小鳥も同じクラスだったら良かったのにねぇ」
治樹のその言葉に反応してしまった…。