黒い怪物くん
何もかもを持っている治樹に対して、無性に闘争心が湧く。
体育の時間に50メートル走を二人ずつタイムを測るという事で、俺は真っ先にペアに治樹を誘った。
「おい…50メートル走で勝負しろ!」
「あぁ、ペア?いいよ」
「負けねぇからな!」
「これ競争だったっけ?タイム測るんだよね?」
「よ、余裕な顔してられるのも今のうちだからな!」
フフン…俺に負けるのにひびってるな。
「次の二人位置つきなさーい」
体育の先生に言われて、俺達はスタート位置についた。
…俺は小学生の頃毎年運動会でリレーメンバーに選ばれていたんだ。
こんな女子に現を抜かしてる奴に負けるがわけない!