黒い怪物くん





「位置について。よーい……スタート!」



俺は全力で走り出した。



俺の速さに追いつけるわけないだろ…




あれ!?なんでこいつ並んでるんだ!?俺のスピードに着いてきてる!?


むしろ向こうの方が…?いや!そんなわけねぇよ!


最後まで全力を尽くした。


ピピッ…ピピッ


「矢嶋君7秒01……木下君6秒98」

「!?」

「治樹すげー!6秒代だって!」

「さすが毎年運動会でリレーアンカーやってるだけあるな!」

「いや…鷹哉が速かったからだよ。速い人と走るとタイム上がるから…鷹哉、誘ってくれてありがとう。鷹哉から声掛けてくれて嬉しかった」


治樹は俺に握手を求めてきた。

俺はそれに応じるわけがない。


「……ふん!」


クソ!


何でも良いから治樹に勝ちたい…。
< 42 / 147 >

この作品をシェア

pagetop