黒い怪物くん
小鳥が自分のクラスに戻り、俺達も自分の教室に戻ってそれぞれ黙って席に着いた。
「治樹……」
「うん?」
ゴンッ
俺は自分の机に頭を押し付けた。
「……ごめん!俺の事殴っていいから!」
「え!いいよ!そんなに気にしてないから!勘違いだったわけだし…それに小鳥の為に怒ってくれたなんて嬉しいよ」
「それは…別に好きだとかそんなんじゃねぇし…」
「ふふッ!小鳥の事好きかとか言ってないけど」
治樹は大爆笑していた。
…しまった…自ら主張してしまった。
治樹に手を差し出される。
「あ!?な、なんだよ…」
「勘違いだってわかったし、改めてよろしく」
「………よろしく」
俺は治樹の手を無造作に掴んでやった。