黒い怪物くん
コンビニで成人雑誌のコーナーを遠目に見る。
…買ってみるか。
俺は周りを見渡して知り合いが誰もいないことを確認した。
雑誌コーナーを通るふりをして、一番取りやすそうな手前のエロ本を手に取る。
そして、すぐにお菓子コーナーに移動してうまか棒とポテトチップスのデカいやつでエロ本を隠しながらレジに持って行った。
レジは50代くらいのおばさんだった。
男が良かったが、若い女の人よりはいいか…
ピッ
「ポテトチップスコンソメ味一点。うまか棒コーンポタージュ味一点…」
ちょ!何で商品名!?
「アダルト大王7月号…あら!ごめんね~!これは18歳未満の子には売れないのよー!君、中学生でしょ?もう少し大人になってからね!」
デカい声で!やめてくれ!
「………ッ」
俺は何も持たずに、走ってコンビニから出て行った。
もうあのコンビニ行けねぇ!っつーかもう絶対あのコンビニいかねぇ!
何で商品名声に出してんだよ!しかもデカい声で…デリカシーないババアめ!
クソ……
家に向かって歩いていると、道路の隅にボロボロになった雑誌が捨てられているのが目に入った。
捲れたページから胸が丸出しの女の人の絵が見える。
一度その雑誌を横目に見ながら通り過ぎる。
50メートルくらい進んでまた戻る。
目だけで周りに誰もいないことを確認してその雑誌を急いで取ってTシャツの下に隠した。
そして、ボロボロで雨に濡れて湿ったエロ本を持って帰る事に成功した。