黒い怪物くん



コンコンッ


「お兄ちゃん?鷹哉の靴あったけど、鷹哉来てるの?」


部屋の外から小鳥の声が聞こえて俺は急いで鞄に先程のマンガを隠した。


「来てるよ、小鳥もおいで」


カチャッ


「本当だぁ!さっきね、プリクラ撮ってきたんだー見てみて!」


小鳥は嬉しそうに治樹の部屋に入ってきた。


俺の隣に座って、プリクラを見せてくる。


「みんな可愛く撮れてるね」

「でしょー!これお気に入りなの」

「はっ…実際こんな目デカくねぇだろ!っつーかデカ過ぎじゃね?詐欺プリだな」

「お気に入りって言ってるのに!馬鹿!」

「小鳥、鷹哉はそのままの小鳥でも可愛いって言いたいんだよ」

「そんな事思ってねぇよ!勝手な事言うな!」


治樹の奴…エスパーか!?何で思った事バレるんだ!?


「あ!お兄ちゃんそのDVD買ったの!?」


小鳥は俺と治樹の間に置いてあった最近発売された話題の映画のDVDを指した。


「昨日買ったんだ。見る?」

「うん!パッケージ見せてー」


そう言って、小鳥は俺の足に手を付いてDVDを取った。


これだけで何ドキドキしてんだ…俺。
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