黒い怪物くん
別れと成長
治樹は、同じ歳なのに俺にとっても友達であって兄みたいな存在になっていて、俺は治樹に助けられながら中学校生活を送っていた。
同じ歳なのに、何でも出来て誰よりも大人で器のでかい治樹の事を俺は尊敬する。
そんな中学二年の三学期の事だ。
授業中に担任に治樹が呼び出されて突然早退をした。
その不幸な知らせは本当に突然だった。
治樹と小鳥のお父さんが突然の交通事故で亡くなったのだ。
治樹と仲良くなってからおじさんには俺も一緒に色んなところに連れて行ってもらったりしていた。
カッコ良くて男らしくて、優しくて…治樹は完全におじさんの血を引いているなと感じる。
治樹はおじさんの事をすごく尊敬していて、俺もおじさんに憧れていた。
だから治樹が早退した後に、担任からその知らせを聞いた時は、相当なショックを受けて放課後まで何も考えられなかった。