黒い怪物くん


烏山の言う通りだ。


まずは小鳥に謝ろう。


俺は学校内を走り回って必死で小鳥を探した。
一応教室を見に行くと、やはりいるわけがない。

教室を出ようとするとちょうど彩美が登校してきたところだった。

「タカヤンおはよー!」

「彩美!なぁ!小鳥と会ってないか!?」

「えっ……今日はまだ会ってないけど?何かあったの?あれ…タカヤーン?」


すぐに違う場所を探すことにした。



あ!そうだ!手芸部の部室!



急いで手芸部の部室に向かうと、扉が開いていた。
中を覗くと中には小鳥と先に追い掛けて行った烏山がいた。


先程まで泣いていた小鳥は烏山に髪の毛を直してもらって嬉しそうに笑っていた。




俺は小鳥をあんな笑顔にさせたことなんてない…。




泣かせたり…怒らせたり…本当は今みたいな笑顔にしてやりたいのに。




静かに二人に気付かれないようにその場を後にした。
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