黒い怪物くん
全速力で教室に走ると、小鳥を見つけた。
小鳥を見つけると、小鳥への想いが溢れかえる。
俺に気付いた小鳥は少し動揺しているようにも見えた。
「…な、何?……今回は簡単に許さないからね…………!?」
とにかく謝りたい気持ちでいっぱいだった。
俺は小鳥を抱きしめた。
「…ハアハア…小鳥!さっきは…マジでごめん!」
「何か企んでるの!?いつもと違う事したって駄目だよ!みんな見てるから離してよ!」
一度抵抗されてしまったが、小鳥は急に優しくなった。
「鷹哉ぁ…?さっきの事全然平気だから!ほら、大ちゃんが綺麗にやり直してくれたんだぁ…だから…」
「…………す…すぐ機嫌直るなら泣いてんじゃねぇよ!どんな髪型したって本人可愛くなきゃ意味ねぇんだよ!」
クソ………4年もこうして気持ちを隠してきてきたせいか…どうしても素直になることが出来なかった。
どうすれば素直になれるのかわかんねぇよ!
俺は教室を飛び出して、また自己嫌悪に陥った。