黒い怪物くん
変化 ~小鳥side~
キス
大ちゃんが転校してきてから一ヵ月ほどが経った。
最近大きく変わった事といえば、鷹哉は最近私に意地悪をして来なくなった。
お兄ちゃんと彩美ちゃんに注意されて、さすがに反省したのかな…?
前みたいに鷹哉と何かを言い合う事も減って、少し寂しい気もするけど…。
そして、大ちゃんは、手芸部に入ってから休まず毎回来てくれて、前よりも部活が楽しい。
ずっと一人で活動していたというのもあるけど……。
やっぱり、大ちゃんは気になる存在になっていたというのもある。
「小鳥……毛糸ってどこにあったっけ?」
「あ、それなら!」
私は、席から立ち上がって毛糸のしまってある棚のところへ行って、棚を開けた。
「ここにあるよー…何色使うの?」
「あぁ…ありがと……っと……」
「え!?」
トンッ
突然後ろから着いて来ていた大ちゃんが、よろめいて棚に手を付いた。
「……ごめん」
「ううんっ…大丈夫?」
振り返ると、大ちゃんが近くて少し驚いた。
あれ…?なんか大ちゃん……。
「あぁ……」
「大ちゃん、もしかして具合悪い?」
「いや…ちょっと躓いただけだから…黒い毛糸ある?」
「うん……今、出すね」
大ちゃんは、ふぅっと溜息をついた、
……体調良くなさそうだな。
私は黒い毛糸を取り出して、大ちゃんに手渡した。
「ありがとう……」
「ん…大ちゃん、具合悪かったら……大ちゃんっ!」
大ちゃんはふらぁっと倒れそうになっていて、私は急いで大ちゃんを支えようとしたけど、体の大きい大ちゃんを支えられずに一緒に倒れてしまった。
すると、倒れた拍子に一瞬だけ……