黒い怪物くん
沈黙を先に破ったのは大ちゃんだった。
大ちゃんは俯いたまま呟いた。
「…その……キスするの初めてだった……?」
「えっ!?えっと……それは……そうだけど…でも、今のは事故みたいなものだし……」
「ごめん……俺なんかと……」
「俺なんかなんて!私、大ちゃんの事……えっと……」
すると、大ちゃんは私の手を握った。
「……小鳥。ありがとう」
「ぅぁ……」
どうしよう…。
恥ずかしくて、大ちゃんの顔見れない…。
「……やり直していい?」
「へ!?」
「いや……ごめん…何でもない…」
「……いいよ!」
私は、ギュッと目を閉じた。
すると、大ちゃんは静かに私の頬にキスをした。
目を開けると、大ちゃんは優しく笑う。