黒い怪物くん
教室に戻ると、先生はまだ来ていなくて教室の中はまだ騒がしかった。
鷹哉…来てる…
すぐに鷹哉の姿が目に入る。
頬杖を着いて席に座っていた鷹哉は私に気付くと、私の方へと向かってきた。
「こ、小鳥…おはよう…」
「お、おはよー…」
昨日の事もあって鷹哉はバツの悪そうな顔をして俯いた。
どうしよう…どういう反応をしていいかわからない。
「……目……腫れててぶっさいくだな」
「え……ひどッ!ばかや!」
「教室戻るのギリギリ過ぎなんだよ……本当トロいな」
いつもの鷹哉で、またムカつく事言ってるのに何故かそれでほっとしていた。
「ホームルーム始めるぞー」
先生が入って来て、みんな席に戻る。
席に向かう時、鷹哉が私の頭に優しく手を添えて小さい声で囁いた。
「……昨日は本当にごめんな…もうあんな事しないから…」
「…ううんッ」
昨日の事…謝ってくれた。その為に待っててくれてたのかな?
自分の席に着くと、彩美ちゃんが話し掛けてきた。
「烏山君どうだった?」
「やっぱりあんまり具合良くないみたいで…家の人に迎えに来てもらって帰るって」
「家の人迎えに来るなら大丈夫か…早く良くなるといいね」
「うん。今日帰りお家寄ってみる」
念の為1時間目が終わった後、屋上を見に行ってみたけど大ちゃんはいなかったので安心した。
お家の人来てくれたのかな…?メッセージ送っておこ…あ!
そういえば…私、大ちゃんの連絡先知らない…。