黒い怪物くん
大悟君のお家を後にした私達は黙って歩いていた。
大ちゃんは私がクマのぬいぐるみの事をクーちゃんと呼んだり大悟って名前だから大ちゃんと呼んだりしていた事…あの時きっと大悟君の事思い出してたのかな…。大悟君もカラスの名前かーちゃんって付けてたもんね…
やはり大ちゃんの事を思い出すと涙が溢れてしまう…
すると、鷹哉は黙ったまま泣きながら歩く私の手を引いて歩いてくれる。
「…鷹哉…ヒックッ」
「ん…?」
「…化け烏って…人間の時…ちゃんと人間なんだね……大ちゃん…ちゃんと人間の温もりあったもん」
「…俺だって妖怪とか…そういうの詳しくないけど…あんだけ弱るくらいなんだから、よっぽど負担して人間になるんじゃねぇの?色まで変わっちまったみたいだし」
「ヒックッ…そうだよね…そんな、思いまでして10年前の事…償いに来てくれたんだね」
「……良い奴だったよな」
「…うん……ふうぅッ」
しばらく…涙が止まらなかった。