kimi

「だからね。優也がね。まだプロポーズしてくれないの。もう私たち26だよ。付き合って7年もたってるし。そろそろよくない?」

完全に酔っている。夏美の優也への不満は酔うと始まる。

夏美とは大学で知り合った。夏美も私も浪人はしていない。
そう私も26歳。みんなが結婚ラッシュの中彼氏がいない私より相手がいる夏美の方がましだ。

「それにさ、最近仕事忙しいとかで帰ってくるの遅いし…。」

無駄に口を挟むと長くなるから黙って聞く。
それが夏美が酔った時の対処法だ。

「夏美、そろそろ帰ろ。明日会社あるし。」

11時42分。終電もあやしい時間だ。
しかし夏美には多分聞こえてないだろう。
夏美は優也の愚痴をしゃべり倒した後机に伏せて寝てしまった。

どうしよかと悩みながら話題の夏美の同棲中の彼氏に電話をかける。
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