[BL] ずっと君の側に
 デートから、二週間がたったある日


学年は変わったが、クラスも席も離れなかった。

今は、千歳の横の席でいつものように机でうつ伏せになっている。


千歳は、いつも通り、本を読んでいた。
そんな千歳に、同じクラスの人が話しかけていた。

話の内容より、気になることがあり、
じっと見ていた。


「ご、五条、何だよ。
人の顔見て」


「…誰」


「えっ、同じクラスになって、数週間はたつのに」


「千歳と家族以外に何で興味を持たなければならないんだ」



そいつは、苦笑いをして、自己紹介してくれた。



「西島 幸之助 (ニシジマ コウノスケ)
千歳とは、中学からの付き合いなんだ」



あれ、どうしよう。

全く、興味が持てない。



「それでだ、春は恋の季節なんだよ。
だから、怜奈ちゃんと仲良くなる為に千歳頼む」



千歳は、本を閉じて、西島を見た。


千歳の目が鋭いからか、ビクッとしながらも、西島は千歳と目を外さなかった。



「でも、何でこんな春先に勉強会なんだ」



「一石二鳥だったから……。

一年のときから、数学が壊滅的で、
二年になったら、もっと難しくなっていくし、それで、委員長さんが怜奈ちゃんと仲良くて、間に入って約束も取り付けてくれて……」


「女に間に入ってもらうとか、ヘタレだな」


「うぅっ、それで、条件があるんだ。

委員長さんが、
学年二位の五条と五位の千歳と話して見たかったらしくて、その二人を連れてきて欲しいって。

頼む千歳、友達のピンチを助けてくれ」

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