[BL] ずっと君の側に
――教室の中――
「五条君、私……、五条君のことが……、
好きです!」
幸が言っていたことは、
本当だったんだ。
「昨日の猫を愛でる時も表情も優しいところも、面倒くさがりだけど、勉強に打ち込む姿は格好良くて、大好きで――。
その、だから、私と……、付き合って貰えませんか!」
教室の中から聞こえる声は、
こっちも緊張が伝わってくるほどだ。
政晴が、どうするのか、分からない。
本来は、断るだろうと思わなくてはならないが、今の俺には自信がない。
あんなに楽しそうに話していた政晴を見てしまうと、やっぱり、俺は、振られるのだろうか。
「俺を好いてくれるのは、嬉しいよ」
政晴は、俺を捨てるのか。
信じたい、好きであるはずと信じていたい。
「でも、ごめんね。
委員長さんが、俺を好いてくれるように、
俺にも愛している人がいるんだ」
それって、どう言うことなんだ。
「どんな人か、聞いても良い?」
「……いつも、冷静で、表情分かりづらくて、口悪くて、たまに難しい事言う。
けど、すっごく優しくて、愛情深くて、
悪態つくくせに直ぐに仕方ないなぁって
力になってくれるし、料理が上手くて、
とにかく、好きで、大好きで、愛してて、
本当に、愛してる以上の言葉があれば、伝えられるのにって、いつも思ってる」
不安は晴れたはずなのに、
目からは涙がこぼれた。
「そっか。
私は、五条君のこと、一年間見てたんだよ。
いつも寝てるから話しかけづらかった。
京極君と仲良くするようになって、起きてるときが増えて、見とれてたりした。
休み時間も授業中にも少しだけ。
もしかしたら、目が合うかも知れないと思って、でも、目が会うことはなかった。
だって、五条君の目は京極君しか、
写って無いんだもん」
えっ、俺らの関係バレた。
「そうかも知れない」
「やっぱり。
誰にも言ったりしないから、人の恋愛はどんな人でも邪魔しちゃいけないから」
今にも、泣き出しそうな声が聞こえてきた。
「実川唯花さん。
俺の事、好きになってくれてありがとう。
その気持ちに答えられなくてごめんね。
それじゃあ、俺、帰るよ」
そう言って、政晴が教室から出てきた。
「あれ、千歳、どうしたの?」
「待ってた」
「そっか、じゃあ行こうか」
二人で歩き始めたとき。
「五条君」
「中前さん」
「唯花の気持ちに答えてくれてありがとう」
「いや、俺は、傷つけてしまっただけだよ」
中前さんは、大きく首を左右にふった。
「きっと、唯花はこれで前が向けるはずだから」
「うん、中前さん、委員長さんの隣にいたあげて」
「うん、それじゃあ」
俺の目に政晴は格好よく見えた。
政晴は、モテるんだと自覚をした。
「五条君、私……、五条君のことが……、
好きです!」
幸が言っていたことは、
本当だったんだ。
「昨日の猫を愛でる時も表情も優しいところも、面倒くさがりだけど、勉強に打ち込む姿は格好良くて、大好きで――。
その、だから、私と……、付き合って貰えませんか!」
教室の中から聞こえる声は、
こっちも緊張が伝わってくるほどだ。
政晴が、どうするのか、分からない。
本来は、断るだろうと思わなくてはならないが、今の俺には自信がない。
あんなに楽しそうに話していた政晴を見てしまうと、やっぱり、俺は、振られるのだろうか。
「俺を好いてくれるのは、嬉しいよ」
政晴は、俺を捨てるのか。
信じたい、好きであるはずと信じていたい。
「でも、ごめんね。
委員長さんが、俺を好いてくれるように、
俺にも愛している人がいるんだ」
それって、どう言うことなんだ。
「どんな人か、聞いても良い?」
「……いつも、冷静で、表情分かりづらくて、口悪くて、たまに難しい事言う。
けど、すっごく優しくて、愛情深くて、
悪態つくくせに直ぐに仕方ないなぁって
力になってくれるし、料理が上手くて、
とにかく、好きで、大好きで、愛してて、
本当に、愛してる以上の言葉があれば、伝えられるのにって、いつも思ってる」
不安は晴れたはずなのに、
目からは涙がこぼれた。
「そっか。
私は、五条君のこと、一年間見てたんだよ。
いつも寝てるから話しかけづらかった。
京極君と仲良くするようになって、起きてるときが増えて、見とれてたりした。
休み時間も授業中にも少しだけ。
もしかしたら、目が合うかも知れないと思って、でも、目が会うことはなかった。
だって、五条君の目は京極君しか、
写って無いんだもん」
えっ、俺らの関係バレた。
「そうかも知れない」
「やっぱり。
誰にも言ったりしないから、人の恋愛はどんな人でも邪魔しちゃいけないから」
今にも、泣き出しそうな声が聞こえてきた。
「実川唯花さん。
俺の事、好きになってくれてありがとう。
その気持ちに答えられなくてごめんね。
それじゃあ、俺、帰るよ」
そう言って、政晴が教室から出てきた。
「あれ、千歳、どうしたの?」
「待ってた」
「そっか、じゃあ行こうか」
二人で歩き始めたとき。
「五条君」
「中前さん」
「唯花の気持ちに答えてくれてありがとう」
「いや、俺は、傷つけてしまっただけだよ」
中前さんは、大きく首を左右にふった。
「きっと、唯花はこれで前が向けるはずだから」
「うん、中前さん、委員長さんの隣にいたあげて」
「うん、それじゃあ」
俺の目に政晴は格好よく見えた。
政晴は、モテるんだと自覚をした。