[BL] ずっと君の側に
 それからは、朝食を食べ、英太君達は、友達の所に遊びに行くと、政晴は家事をこなし始めた。

洗濯や掃除をして、昼食は俺が作った。
食器を片付け、洗濯物をしまい、畳んだ。



「政晴は、いつも手伝ってるのか?」


「うん、暇なときはね」



本当に、政晴は、学校と家では印象が違う。



「ねぇ、千歳、今日の夕飯、何するの?」


「スーパー行って適当に決めればいい。
それとも、リクエストはあるか?」


「千歳の作ってくれる物なら何でも良いよ」


「その答えは、一番困る回答だ」



そう言うと、政晴は、考えてくれている。



「あっ、じゃあ、定番で肉じゃがとか」


「そうするか」




――それから、買い物へ――



「どこ行くの?」


「肉なら、あのスーパーが安い」


「千歳、詳しいの?」


「まぁ、いつも、母さんに付き合わされるし」



母さんと買い物に行くのはいいけど、たまに、『ちーちゃん、デートしよ』って、言われるのは、勘弁して欲しい。



「へぇ、千歳ってそう言うの嫌がるタイプと思ってた。
面倒だぁーとか言ってそう」


「まぁ、面倒な時もたまにあるけど、
親と買い物するのを嫌がる奴のことは理解ができない。

親と行動するのは社会勉強の一環だぞ。
ここは野菜が安いとか、肉が、ジュースが、とか色んな所で役に立つ知識が詰まっている。

親と買い物すんのが嫌とか、恥ずかしいとか、損してると思わないか」



政晴は、笑っていた。



「何だよ、笑うところだったか?」


「いや、千歳の考え方とか主観とか好きだなぁって思った。
確かに、恥ずかしいって言う子はいるけど、俺は、全然そう思わない。

身近に親孝行出来るチャンスを不意には出来ないからね」


「そうだな」




 そして、夕飯を作り、帰ってきた皆と食べた。

それから、あっという間に時間は過ぎて、
英太君も妃菜ちゃんも未羽ちゃんも寝てしまった。



――リビング――



「千歳、お疲れ様」


「あぁ、お前もな」


「皆、楽しそうだったね。
遊び疲れて、また寝ちゃったみたいだし」


「うん」



政晴は、洗い物を片付け始めた。


その姿に、ムラっときて、後ろから抱きついた。



「どうしたの、千歳」


「好きな人のエプロン姿見てたら、抱きつきたくなった」


「そっか」



耳まで真っ赤にしていた。



「千歳、先にお風呂入ったら」


「政晴、一緒に入ろうぜ、良いだろ」


「えっ、うん」



動揺し過ぎだ。

まぁ、こんなところが可愛いんだけどな。


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