[BL] ずっと君の側に
 それから、二ヶ月の歳月が過ぎ、
席替えが行われることになった。


ブーイングする者もいれば、喜ぶ者もいた。


その時のあいつは、顔色一つ変えず真顔に近いかんじだった。



そして、くじ引きの結果


俺は、
真ん中の一番後ろの席であり、
あいつの真後ろの席になった。





席替えをして、二~三日たった頃。


あいつの髪を間近で見ると
枝毛一つない、サラサラな髪でさわり心地も良い。


髪を触って気づかれたのか。


あいつが俺の方を向いて、



「何か、用か」



男にしては少し高めの綺麗な声質をしていた。



「いや、髪綺麗だから、ついさわりたくなった」



そう言うと、目を大きく見開いた後、
納得したように笑顔でお礼を言われた。


俺は、
その笑顔に、ドキッとした。



「確か、五条政晴だったよな」


「そうだけど」


「そうか、俺の名前、覚えてる」


「正直、担任の名前しか覚える気力がなかった」



そいつは、そっかと苦笑いをした。



「俺は、京極 千歳(キョウゴク チトセ)
千歳でいい、俺も、政晴って呼ばせてもらうから」


「うん、宜しく、千歳」



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