[BL] ずっと君の側に
その事がきっかけで仲良くするようになった。


でも、一つ。
気にすることではないだろうけど、すごく困ることがある。


朝、いつものように教室に向かう廊下で、
歩いているとき



「政晴、おはよう」



後ろから飛び付くように挨拶をしてくる
千歳に困っている。



「千歳、俺をこの年でぎっくり腰デビューさせたいのか」


「そんなに強かったか、悪かった」



千歳のスキンシップは、たまに激しい。



「そんな顔するなって、今日は政晴の為に弁当作ってきてやったんだから、それで機嫌なおせって」



千歳の料理は美味い

とにかく、美味しい。

だから、いつも後ろから突撃されても、すぐに俺は、千歳を許してしまう。



「分かった、けど、朝からテンション高いの止めてくれ、俺は、朝が苦手なんだ」


「うん」






それから、お昼休みになり、
俺達は、中庭のベンチで昼食をとることにした。



「千歳の料理は最高だな」


「そうだろ、美味いだろ。
あと、今日はフルーツも持ってきた」


「美味そう」



それから、すぐに食べ終わってしまった。



「はぁ、ごちそうさま」


「美味しく食べて貰って、嬉しいよ」


「マジでもう食えない」



弁当を片付ける千歳を見て思ったが、
料理が得意と聞いてからここ最近、
ずっと作ってきてくれてるのは何でなんだろう。


「なぁ、千歳。
何で最近、ずっと弁当作ってきてくれるの?」


「う~ん、肥やすためかな。」


「何だよ、それ」


「政晴がもう少し太れば、朝のスキンシップの抱き心地良くなると思った。
政晴は、少し痩せすぎだ」



何か、理由が意味わからん

と言うか。



「痩せすぎって、千歳に言われたくない。
お前の方が明らかに痩せすぎだ。

俺より少し身長高いくせに俺より体重が軽いとはどういうことだ」


「俺の場合、体質的に太れねぇんだよ。
それに理由なら、もうひとつある」


「何だよ、言ってみろよ」


「政晴の嬉しそうな顔が見れるから」



思わず、視線をそらしてしまった。

何故か、千歳の方を見れなかった。



「こうなんつうんだろ。
楽しい話とか他の料理の話したときの食いついたときの顔はこう、

餌付けしたときの犬みたいな顔になるから」


「犬、俺が……」


「あぁ、いい表情するよな」



なんだろう。
これは、悪いと思って言ってないな。

まぁ、仕方ないんだけど、
さっきの千歳の顔が見れなくなったのは
どうしてだろう?


不思議だ。


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