[BL] ずっと君の側に
それから、お昼前になり、帰る時間になった。



「政晴、忘れ物ないか?」


「うん」


「じゃあ、送ってくよ」


「えっ、そんなのいいよ」


「政晴と少しでも長くいたいからさ、嫌か?」


「嫌じゃない」



千歳が、可愛いなと言いながら撫でてきた。

その手が頭から、頬に添えられた。

見つめあって、だんだん顔が近くなっていって、あと、少しで唇が重なろうとしたときに――。



玄関のチャイム音が鳴った。



「はぁ、良いところだったのに。
誰だよ、全く」



千歳は、玄関に向かっていった。



少し、残念――。



玄関先が少し騒がしいみたいだから、みに行くと――。





――玄関――



そこには、女の人が五人いて、千歳と親しく話していた。



「あっ、政晴」



「えっ、なにこの子が政晴君?」

「千歳の趣味にしては良すぎる」

「千歳兄、紹介してよ」

「ち~兄、早く、早く」

「ち~ちゃん、早く紹介して」



誰だろう、この人たち?



「はぁ、政晴、俺の母さんと姉貴たちと妹たち。

詳しくは、リビングで説明するから、一先ず、行こう」





――リビング――



一先ず、椅子に座った。



「長女の綾音(アヤネ)です。
二十歳です、モデルしてます」

「次女の詩(ウタ)
一応、歌手。年は、19」

「三女の結愛(ユア)
年は、15で、ダンサーしてます」


「四女の瑠美(ルミ)です。
お芝居を頑張ってます、13なりました」



次々と、自己紹介してくれた。



「次は私ね。
加奈子(カナコ)です。年は、永遠の二十歳にしていてくれると嬉しいな」


「この前、二回目の成人式を迎えたけどな」



えっと、それって――。



「もー、ちーちゃん、酷い。
バラさないでよ」


「いや、もう、自分の娘と同い年はキツいって、ダブルスコアだよ」


「もぅ、ちーちゃんがいじめる」



面白いお母さんだな。


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