[BL] ずっと君の側に
「もぅ、いいです、年の話は。
それより、ちーちゃん、この子が例の子なの」
「うん、俺の恋人」
「やっぱり、そうだったのね。
ちーちゃんから話は聞いてるわよ。
五条 政晴君だったわよね」
千歳が家で俺のこと話してくれているんだ。
「はい、五条政晴と言います」
「ちーちゃんがよく口にするから。
政晴、政晴って、沢山話してくれるんだよ」
千歳が俺のこと、そんなに――。
「ちょっ、母さん。
余計なこと言わなくていいから」
「全然、余計なことじゃないもん」
千歳は、お母さんと仲良いんだな。
「あの、ち~兄の何処が好きなんですか?」
瑠美ちゃんが、興味津々に聞いてきた。
「えっ、千歳の――。
その、全部かな」
「ち~兄の全部が好きだって!」
瑠美ちゃんは、綾音さんに報告して、きゃきゃしていた。
それを見ていると、詩さんと目があった。
「この人の骨が好きとかいう、変態野郎だよ。
そんな奴の全部って、何、何処が!」
千歳の方を向くと、苦笑いしていた。
俺は、詩さんの方を向き直した。
「そんなところもです。
最初は少し驚くけど、そんなところにトキメくんですよ。
変わっているけれど、俺が知らなかった千歳の感性に触れられることが嬉しいんです。
見た目は、大人ぽいし、綺麗な顔してて、クールな雰囲気だけど――。
中身は、真面目で、面倒見が良くて、頼れる存在。
だけど、以外と子供ぽかったり、たまに、変態ぽい一面あったり、そういうの知れると楽しくて仕方ないんですよ」
皆が俺の方を見て、呆気にとられていた。
「政晴、お前、こんなところで愛の告白はやめろよ」
「えっ、そんなことしてないって」
千歳の顔が少し赤かった。
「あっ、千歳兄がテレてる」
「テレてねぇって!」
「向きになってる!」
「結愛、お前、いい加減にしろよ」
二人の小競り合いが始まった。
「あっ、ちょっと、二人とも止めなって」
「綾姉、コイツ、ムカつく」
「テレてる、くせに」
詩さんは、またかと呆れていた。
千歳のお母さんも、ほどほどにね~と見守っていた。
賑やかな家族だな。